禁煙へのご案内
2003/11/17
 [中瀬先生]
あなたの家族の誰かが、禁煙しようとする時、”こんな気持ちで見守るのがいいですよ”ということを、お話してみたいと思います。禁煙外来には時折、夫の健康のことを気遣う家族から、どのようにして夫に禁煙させればいいのかという相談が寄せられます。中には「あの人のいずれ禁煙するは当てにならない。いつも口先だけで失敗ばっかり」と厳しい意見も聞かれます。多くの場合、夫の将来を思って心配されているのは判るのですが、妻や子供達の一方的な都合や願望で、夫の禁煙に過剰期待をしていることがよくあります。

 いつかは禁煙しようと思っている者にとって、それを支えてくれるはずの家族の存在が、重荷や負担に感じられるのは、そんな過剰な期待や干渉がある時です。確かに、夫の将来を豊かなものにしてあげたいという、相手に対する思いやりや愛情のつもりでいるのかもしれません。しかし、夫が感じている心理的な意味は、家族から拒否されているのと同じなのです。なぜなら、現状のあなたには満足していないんだということを、別の言葉で表現し
ているだけなのですから。

 禁煙を支える家族にとって、大切なのは「待つ」という気持ちです。傷口だって、消毒さえすれば、放っておいたって、必ず治る方向へいくわけです。ですから、待つという姿勢ができましたら、後はあせったり、イライラしないこと。「お父さん、今は無理に禁煙なんてしなくていいのよ。ただ、禁煙してみようという気持ちだけはずっと大切にしててね。いずれその時がくれば、後の半分は禁煙の神様が手助けしてくれるんだって。皆で、ゆっくり待っていてあげるから、心配しなくていいよ」こんな感じでいいのです。

「放せば入る」といいます。まずは苦悩するお父さんを全面的に受け入れることから始めましょう。やがて、今までのお父さんの苦悩は、ありのままの自分を家族に受容されたという安心感に変わる日がきます。そして、その時がお父さんにとっての、また家族全員にとっての共通の「禁煙記念日」となる瞬間なのです。県内の禁煙外来も、その時が来るまで、静かに待ち続けています。
2003/11/14
 防煙教育初体験 [山田先生]
6月に川島町や阿波町の小学校に防煙教室に出かけてきました。
教育要綱に生活習慣病が盛り込まれそのなかにタバコについての教育が義務づけられたことで始まったようです。

禁煙外来を始めて思うことは、一度吸い始めたらやめることが大変ということ。
本人も支援する方も時間もお金もいろんな労力が必要です。
やめようと思って来てくれる人はいいですが、小児科外来でお母さん方にお話ししてもなかなか踏ん切れる人は少ないですね。
我が子の健康と秤にかけても難しいとなると自分の健康となるとなおさらです。
やっぱり吸い始めないことが大切とおもって今回小学校で始めての防煙教育を引き受けました。

始めての防煙教育でするのでちょっと下調べをしました。
防煙の教育には実は試行錯誤がありました。

最初は脅しから始まりました。つまり、吸った場合に罰を与える方法です。
吸ったら補導、退学処分などです。
この方法では子どもたちは逆に反抗するようになり、ご存じのように効果は見られませんでした。

次にタバコの害についての知識を教えていました。様々な健康障害について子どもたちに教えました。
しかし、10代の子どもたちに将来の発ガンの話しをしても子どもたちの心には届かなかったようでこれまたあまり効果はありませんでした。

そこで、最近おこなわれるようになったのはライフスキル教育です。
ライフスキルとは簡単に言えば人間関係を壊さずに自分の意見を言えるようになる技術といえばいいのでしょうか。

どの小学校でも、パワーポイントを使った自作のスライドに興味を持ってくれ、参加型の講義形式にしたのですが、質問や発表にも積極的にとり組んでくれました。
児童の真剣な表情と笑顔に励まされて思わず力が入ってしまいました。


2003/11/14
 地域におけるたばこ対策活動〜保健所からの報告〜
[鴨島保健所 佐藤純子]
私は保健所でたばこ対策に取り組んでいます。小児科医として、子どもがたばこで病気になることは決して許せないと思い、取り組みを始めました。学校より依頼があれば、出前講座として、防煙教育(喫煙防止教育)にも出向いています。県医師会にあるたばこの着ぐるみを着て話をしてほしいとの依頼もありました(変なもの?を見たためか、子どもたちの注目度は抜群でした)。
たばこ対策は3つの柱、防煙、分煙、禁煙サポートより構成されています。今年5月に施行された健康増進法に受動喫煙の防止が盛り込まれ、分煙や全面禁煙に取り組む場所も少しずつ増えてきました。一住民としても不快な煙を吸わされないとほっとします。全ての場所で受動喫煙で悩むことが全くない日が早くくるように祈っています。とくに、親御さんがたばこを吸う場合、子どもたちは逃げ場がありません。ぜひとも、子どもたちが、受動喫煙の被害を受けないよう、周囲の大人の方々の御配慮を切に願っています。
禁煙サポートに取り組む医療機関はこのHPでも紹介されているとおりです。禁煙補助剤として、ニコチンガムやニコチンパッチで簡単にたばこがやめられる時代を迎えています。悲壮な覚悟で禁煙にチャレンジというよりも、「ちょっとだけやめてみようかな?」と気軽に禁煙してみるのもよいのかもしれません。きっと禁煙は自分や周囲の方々への愛の証になるはずです。
〜喫煙は予防できる最大の病気の原因です(WHO)〜

Copyright (C) 2003 Tokushima Medical Association. All Rights Reserved.